地球・都市・住空間の環境保全と改善を地震防災と結びつける仕組みを考える!
1. 建物が持つ耐震性能(快適性・機能性・修復性)と崩壊限界の検証実験
建物やその部分の模型を用いた、準静的載荷・動的載荷・振動台実験等によって、建物が完全に崩壊するまでの挙動を調べる。その成果を建物・都市の耐震性能や地震被害予測も精度を高める理論解析に反映させるとともに、高い快適と安全を確保できる新しい建築構法の提案へと展開する.
2. 建物の健全性を自律判定する建築インフラの提案
社会活動の早期復興に寄与する建築インフラとして、損傷を定量的に推定し、継続使用の可否を即座に判定するシステムを構築する。センサ、遠隔サーバー、データ処理ツール群からなる階層型システムを形成や、損傷度を抽出する手法、使用継続性を判断する手法に関する実証的研究に取り組む。
3. 都市にある既存ストック再生技術の開発
スクラップ・アンド・ビルドによる従来型の都市生成が行き詰まりを見せる現状を直視して、既存建築ストックの再利用による都市再生をめざす。短工期、環境保護、長寿命、新材料利用等をキーワードに、合理的かつ斬新なそして地球環境の保全と向上に資する補修補強再生技術を開発する.
4. 免震・制震技術の高度化
快適性・機能性・安全性の飛躍的向上をはかるために、新しい免震装置(機構)や制震装置(機構)の開発を模索する。超鋼鉄、極軟鋼、誘導加熱など、新しい材料や加工技術を用いた機構をもくろみ、その有効利用法を精密な実験と解析から明らかにする.
池田 芳樹 | 教授
建設会社で地震工学に関する研究開発と実務に約30年間携わった後、2017年4月から現職。防災学が総合的学問分野であるということを認識しながら、建築構造物の耐震性能とその評価法を高度化させる研究に取り組んでいる。建築構造分野と他分野の知見を融合し、かつ民間企業で培った研究成果を実用に結び付ける姿勢を取り入れながら、防災に貢献していきたい。
倉田 真宏 | 准教授
京都大学建築学科を卒業。京都大学大学院建築学専攻およびイタリア共和国パヴィア大学地震学コースにて修士号を取得。2009年にジョージア工科大学土木環境工学科にてPh.D.を取得。ミシガン大学土木環境工学科での2年間の研究員、京都大学防災研究所の助教を経て、2015年1月より現職。専門分野は、建築構造学、地震工学で、大地震後の被災建物の損傷検知システムや余震リスクの評価、自己診断部材に関する実践的な研究を進めている。また既存建物の耐震性能向上のための簡易制震部材の開発に取り組んでいる。
【所在】611-0011 京都府宇治市五ヶ庄 宇治キャンパス 本館S棟 3階 307D号室
【連絡先】0774-38-4086 ikeda.yoshiki.6rkyoto-u.ac.jp
【URL】http://www.steel.dpri.kyoto-u.ac.jp/
【構成】
2018年度:学部生3名、修士4名、博士3名(うち留学生2名)、教授1名、准教授1名、外国人研究員2名
2021年度:学部生2名、修士4名、研究生1名、博士4名(うち留学生3名)、教授1名、准教授1名、外国人研究員1名
2022年度:学部生4名、修士4名、博士6名(うち留学生4名)、教授1名、准教授1名、研究員1名
【主な進路】
大学・研究機関(海外大学院など)、産業界(大手設計事務所、構造設計事務所、大手ゼネコン、鉄鋼メーカー、鉄道会社、プラントメーカーなど)、官庁(国土交通省など)