建築行為に関わるモノ・コト・ヒトについてグローバルな視野で幅広く学ぶ!
本研究室は、建築物を作るという行為に関わる法制度、人・組織、技術などについて研究を行っている研究室です。国際的に活躍している実務者や研究者とともに、日本のみならず諸外国を対象として実証的な研究を行い、またそれらの諸関係を実態に即して理解する試みも行なっています。ここでは数ある研究テーマのうちのいくつかをピックアップして紹介させていただきます!
建築行為に関わるモノ・ヒト・コトについて幅広い視点で学ぶ!
・BIMの活用戦略に関する研究
BIMとは、Building Information Management(もしくはBuilding Information Modeling)の略称です。コンピューター上に作成された3次元の建物のデジタルモデルにコストや管理情報などのデータを組み込んだ建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用する新しいこの情報モデリング技術によって建築生産プロセスは大きく変革することが期待されています。しかし、日本でのBIMの活用には、設計図書の相互調整に関わる権限と責任の問題、投資費用対効果の問題など、いくつかの阻害要因が残っています。本研究室では、シンガポールや米国などと日本の建築生産システムの差異に着目しながら、阻害要因を分析し、解決方法を提案していきます。
・建築生産システムに関する国際比較研究
建築生産システムに関わる主体や社会の制度は各国で異なる様相を呈しています。本研究室では海外での施工現場の調査や各国の研究者を招いての国際会議によって常に国際的な交流を行っています。2018年11月9日、10日に開催された「2018年度国際発注・契約会議」は6回目の開催となりました。6カ国(米、英、中、韓、台湾、シンガポール)からスピーカーをお招きし、「各国の建設活動の参入障壁と進出障壁」というテーマについて議論を繰り広げ、盛り上がりを見せました。海外の建設事情を知るのはもちろん、偉大な研究者との交流は、学生にとって大変貴重な体験となりました。
・ICT技術を活用した生産性向上に関する研究
ICT(Information and Communication Technology)は、コミュニケーションに関わる情報通信技術のことです。現在、建設現場の労働人口の減少や働き方改革を背景に、ICTを活用した生産性の向上が進められています。本研究室では、製品開発を行う企業や設計事務所と協力し、新技術が建設現場に与える影響や生産性向上にどう役立つかを研究しております。
ほかにも、PM(Project Management)やCM(Construction Management)など、生産プロセスのマネジメントに関する研究をはじめとし、建築産業の課題と対応に幅広く取り組んでおります。気になった人はぜひ桂キャンパスC2棟2階214号室に足を運んでみてください!
金多 隆 | 教授
1970年京都府生まれ。専門は、建築経済、プロジェクト・マネジメント、建築生産です。建築プロジェクトのマネジメント技術、事業計画と発注者組織、維持管理とプロパティ・マネジメント、日本型建築生産システム、建築生産とイノベーション、BIMの活用戦略といった研究テーマに取り組んでいます。
西野 佐弥香 | 准教授
1983年生まれ、大阪府立北野高校出身。専門は建築社会システム工学、研究テーマは建築プロジェクトのプロセスおよびマネジメント、建築技術者のキャリアです。学部生の頃から、何を建てるかよりも誰がどのように建てるかに興味がありました。趣味は手帳、実はキャリアコンサルタント(国家資格)です。
【所在】615-8540 京都市西京区京都大学桂 桂キャンパス C2棟 2階 214号室
【連絡先】075-383-2939 kanetaarchi.kyoto-u.ac.jp
【URL】http://www.kaneta.archi.kyoto-u.ac.jp/
【構成】
2018年度:学部生6名、修士7名(留学生2名)、博士3名(社会人2名)、研究員1名、教授1名
2021年度:研究生1名、学部生6名、修士7名、博士5名(社会人5名)、准教授1名、教授1名
2022年度:学部生5名、修士11名、博士6名、准教授1名、教授1名
【主な就職先】
総合不動産、コンサル、ゼネコン、設計事務所等