一体どんな生活をしているの? 宇治キャンパスへ通う学生にインタビュー

京大建築の26の研究室のうち5つの研究室(池田・倉田研究室、境・西野研究室、丸山・西嶋研究室、牧研究室、松島研究室)は宇治キャンパスに所属しています。しかし、その存在は謎に包まれているようです。というのも、京都大学建築学科・専攻において学部1~3回生の授業は主に吉田キャンパス、学部4回生及び大学院の授業は桂キャンパスで行われており、多くの学生にとって、宇治キャンパスに行く機会はほぼ無いのです…。
そこで、研究室配属を控える新4回生をはじめ、多くの方に宇治キャンパスでの生活を知っていただきたい!という思いのもと、2名の方をお招きして研究室を決めた際のことや現在の生活についてお話を伺いました。

中野水貴さん(以下、中野):境・西野研究室修士1回。
大学院でも陸上競技部での活動を続けながら、津波火災に関する研究を行っている。

今井陽美さん(以下、今井):牧研究室修士1回。
大学院から京都大学に入学。学部生時代からの研究対象である路地について、制度面に着目した研究を行っている。

研究室、どうやって決めた?

—早速ですが、研究室を決める際のお話から聞いていこうと思います。お二人はどのような経緯で現在の研究室に入られたのですか?

中野:私は4回生でも部活を続けることが決まっていたので、部活動と両立できる研究室かどうかを重要視していました。興味があった環境系をメインに考えていて、境・西野研の他に小椋・伊庭研石田研(どちらも桂キャンパスに位置)も検討していたかな。
その中で今の研究室を選んだ理由は、研究室見学に行った際に「4回生まで部活を続けたいんです」と伝えたら、西野先生の第一声が「いいじゃん!」で(笑)。課外活動との両立に理解がある研究室だなと思ったことが決め手になりました。研究の進め方についても、コアタイムがあるわけではなく、時間の使い方や作業の進め方は各自に任されている感じが合っていました。

今井:私は学部生の時は他大学に通っていたというのもあって、院試の出願で希望の研究室を記入する際に、研究室の立地というのは全く気にしていなくて(笑)。そもそもどの研究室がどこにあるのかも知らなかったかもしれない。単純に、自分の興味関心と研究室の研究テーマがマッチするかどうかだけで選びました。

意外に吉田から好アクセス! 公共交通機関なら桂より宇治が便利

—確かに、他大学から院で入学してくるとなると、ある意味フラットな目線で、立地などは気にしないのかもしれないですね。宇治キャンパスに通うことに対して、移動の面などで不安はありませんでしたか?

今井:そもそも入学するまで、授業が桂であるということも知らなかったのでその点不安は一切なかったですね(笑)。入学して初めて知ったときは「まじか!」と思ったけれど(笑)。

中野:私も一切なかったです。部活を続ける関係で、吉田に住み続けることは確定事項だったので、吉田から通うとなると寧ろ宇治の方が桂より通いやすい。

―駅から近い分、吉田から公共交通機関で通う場合は圧倒的に宇治の方が通いやすいですよね。そういった理由からか、部活やサークル活動等の理由で吉田に住み続けたい人が宇治の研究室をよく選んでいるような気がします。

宇治キャンパス最寄り駅の一つである京阪黄檗駅。吉田キャンパス最寄りの出町柳駅より、電車で30分ほどで着く。(筆者撮影)
吉田・桂・宇治 三つのキャンパスの位置関係。京大建築の学部1~3回生の授業は主に吉田キャンパスで、学部4回生及び大学院の授業は主に桂キャンパスで行われる。
(京都大学工学部・大学院工学研究科(https://www.t.kyoto-u.ac.jp)より引用)

―授業についてはどうでしょうか? よく、「授業と研究室のキャンパスが違うのは大変そう」などと言われますが(笑)

今井:私たちの代に関しては、コロナでほぼ授業がオンラインになったので結果的に全く問題なかったよね。

中野:環境系も、M1の4月に少し桂に行っただけで殆どオンラインだったなあ。でも、もしも対面授業だったとしても、授業で桂に行くのは週3日だけでその日は宇治にはいかない。桂に行かない日に研究室に行く、という風に時間割を組めたからそこまで問題はなかったかと思います。

―コアタイムのない研究室だからこそ、授業など自分の予定に合わせてスケジュールを決められるというわけですね。確かに、2学年上の先輩(授業の多いM1の時、コロナの影響のなかった学年)は桂に行く曜日と宇治に行く曜日を分けて工夫していたという話を私も聞きました。

研究室への通い方は人それぞれ

―では改めてになりますが、現在の生活スタイルについてお聞きします。お二人はどれくらいの頻度で宇治に通ってますか?

中野:自分の研究内容がシミュレーション系なので 家でも作業できることに加えて、今年はゼミが全面オンラインなので実は全然研究室に行っていないです(笑)大掃除や先生の還暦祝いなどイベントごとの時だけだなあ・・

―家でも集中して出来るのはすごい

中野:家で作業するのが苦手で、研究室の方が集中できるという人はほぼ毎日来ているので、完全に人それぞれですね。

今井:今年の牧研は2種類あるゼミのうち、本ゼミという全員が集合するゼミだけ対面なので、研究室に行くのは2週に1回のペースです。研究室のアルバイトがある時など、週3~4日くらいの頻度で行くこともあるので時期によりますね。

―研究内容によっては、研究室に行かず作業ができるので行く頻度は少なくなりますね……(笑)移動手段についてはどのようにしていますか?

中野:キャンパス間の移動では連絡バスを使ったり、あとは電車で行くことが多いです。

今井:私は自宅生なので、実家の車が使えるときは車で。そうでないときは電車で行っています。

中野:バイクで吉田から通っている人も良く聞くよね。

―それでは最後に、宇治キャンパスに通ってみて良かったことと大変なことを教えてください!

中野:良かったことは、周辺に飲食店が沢山あること!キャンパス内にセブンイレブンもあって、西野研からは徒歩1分で行けるのがとても便利。あとは研究室の窓を開けると子供の遊び声が聞こえてきて癒されることかな(笑)
大変なことは…もし授業が対面だったら大変だったかもなあとは思いますね。オンライン授業が当たり前の今の生活に慣れてしまっているから尚のことそう思うのかもしれないけれど。

宇治キャンパス内では親子連れの姿もよくみられる。(筆者撮影)
京阪黄檗駅から宇治キャンパスへの道沿いには、飲食店が並ぶ。(筆者撮影)
カレー、定食、イタリアン etc…キャンパスから程近くに複数のお店が。特にたま木亭は京都でも有名な行列のできるパン屋!(筆者作成)

今井:宇治というより牧研の話になるけれど…おいしいご飯を作ってくれる母のような秘書さんがいて、アットホームで居心地がいいです!

―アットホームというのは宇治の研究室全般に言えるかもしれないですね(笑)キャンパスののどかな雰囲気がそうさせているのかもしれません。

中野:あとは、この2年間はコロナでできていないけれど‥毎年5~6月に宇治の建築系研究室合同でBBQを行っているので、そういったイベントがあるのも宇治の魅力かな。

(建築系合同新歓BBQについて、詳しくはこちらhttps://press.archi.kyoto-u.ac.jp/372/

―BBQ来年こそやりたいですね~お二人とも、今日は楽しいお話をどうも有難うございました!

インタビューを終えて

自分なりのスケジュールの工夫で快適なキャンパスライフを送っている様子が伺えました。そんな宇治キャンパスの研究室見学会は毎年2月に開催されています(今年度は2022年2月14日に実施予定)。今回はインタビューできなかった研究室の紹介もありますので、興味を持った新4回生は是非いらっしゃってくださいね。

(インタビュー:2022年1月5日 ZOOMにて)