2017年6月に京都で開催された、「世界照明探偵団フォーラム2017 in 京都」という街のあかり文化について議論し実践するイベントに石田研究室が京大チームとして参加しました。 当時、研究室周りにもこんなポスター↓が貼ってあり、個人的にも「石田研、なんか面白そうなことやってる…」と少し気になっていました。
そこで、開催からはかなり時間が過ぎてしまいましたが、こんな面白そうなイベント、掘り下げないのは勿体無いのでは!? ということで、今回は、建築空間の視環境をテーマとする石田研の紹介も兼ねて、同級生の石田研M2徳海さん(参加時は学部4回生)にこのイベントについてインタビューしてみました!
そもそも世界照明探偵団フォーラムとは?
徳海——世界照明探偵団フォーラムとは、LPA(Lighting Planners Asociates)という照明デザイン事務所を率いる世界的照明デザイナーの面出薫さんを団長に立ち上げられた、街のあかりを観察・調査する照明文化研究会です。年に1回、世界のどこかの都市で企画運営されているプロジェクトです! 2017年はたまたま京都での開催だったので参加できましたが、例年このようなイベントに参加するというわけではないので、石田研の活動紹介としてふさわしいかはわからないのですが、、
—— なるほど、世界の中から京都が選ばれた、ラッキーなタイミングだったんですね。検索してみたら、昨年度(2018年)はチリのサンチャゴで開催され、今年度(2019年)は中国の深圳で開催予定だそう!!
照明探偵団参加までの経緯や、他の参加者は?
徳海—— 石田先生の話では、最初は前田研究室の前田先生に、もともと面識があった面出さんから世界照明探偵団を京都で開催したいので協力してもらえないかとの話があったみたいです。
私たちに話が来たのは、4月くらい(徳海さんは研究室配属されて間もないころ)で「今年は照明探偵団というイベントがあって、面白そうだから参加してみようと思います」と石田先生から話がありました。柳沢研究室と一緒に京大チームとして参加することになりました。
—— こういう、分野をまたいだ人と人の繋がりからプロジェクトが動いていくのは建築学専攻の醍醐味の一つですねー!エネマネハウスしかり。どんなことに取り組んだのですか?
徳海—— 京都市中心部の昔ながらの商店が連なる東西の通り、松原通のライトアップです。前田先生が以前からまちづくりの支援や研究で関わりのあった松原通の活性化に取り組む方々に話を持ちかけて、是非やりましょう、ということになったとのことです。他の参加者には、京都工芸繊維大学、京都造形芸術大学、京都市立芸術大学のチームがありました。計画系の研究に取り組んでいる研究室や学生が多く、京大以外のチームは岡崎エリアを対象にしていました。なので他大学との交流はちょっとし難かったのが残念。。
ずばり、京大チームのこだわりは??
徳海—— ただカッコイイものをつくる、という感じではなく、地域ならではの計画を考えたことかな!「松原通の生活感、日常感、に光を当てることで新たな魅力の発見を」という全体コンセプトを話し合って作ったり、それぞれのチームのライトアップ案もストーリーを持ったものを設計したりと、考えたことをしっかり反映した計画が京大チームらしさかなと思います。面出さんにもそのような評価をいただきました。
—— 京都らしい趣のある街並みに光のグラデーションが印象的な写真ですね。ライトアップ案を設計していく上で、具体的に石田研と柳沢研で役割分担などはありましたか?
徳海—— 特に設けられていませんでした。京大チーム内で担当する場所(寺、神社、古民家etc)によって小チームに分かれていたのですが、それも研究室が混ざるように分けていました。石田研も柳沢研も普段は照明設計をすることはないので、どちらも全くの初心者というニュートラルな立場でした。
なので、研究室間の交流という意味でも、混合チームでよかったなと思っています!
照明探偵団に参加した感想をお願いします!
徳海—— やはり柳沢研と一緒にやれたのがよかったです。他研究室といっしょに活動するというのはかなり貴重な機会で、仲良くなれたので楽しかったです!
それに、地域の調査をしてそれに合わせたプランを考える、というアプローチが普段の研究とは違って面白かった!
徳海—— 苦労したのは照明探偵団や地域の方との連携ですね。京大チームでは何回も打ち合わせしたけど、なかなか会えない人との意思疎通はできてるつもりでもできていないことがあり、難しかったです。
特に、照明を行う敷地や電気の提供に協力していただいている地域の方との間に齟齬が生じると本当に何にもできない、ということを痛感しました。
あと、照明器具の固定方法があまり思いつかなかったことや、電気配線のことは全然わからずメーカーさんや地域の電気屋さんにお任せしていたので、本番どうなるのか少し不安でした。
徳海—— あとは、現地でのリハが前日の一回しかできないので、照明のイメージがつかみにくくて大変でした。当日は街灯も消してもらったのでプランした照明が際立つ形になりましたが、わりとぶっつけ本番!という感じでした(笑)
—— なるほど〜〜〜。自分の研究している分野に関して、リアルなプロジェクトとして身近な土地で何らかの「かたちづくり」ができる機会がもらえるのって、運とタイミング次第ではあるけど大学(院)生の特権ですよね。特に建築学は、他学科や他の専攻と比べてもそういうチャンスが多い気がします!
また、見せて頂いた照明の写真はそれぞれにその場所の特性に根ざしたストーリーがあって、夜に映えてきれいなだけでなくその地域を知ることにつながるオリジナリティがとても面白いなと思いました。さすが地域ならではの計画を大事にした京大チーム! ですね。
徳海さん、素敵なお話と写真をありがとうございました!!