稲田浩也 
Diploma x KYOTO’19の派生企画としてのポートフォリオ展
デザイナーやアーティストが自作をまとめアピールするための作品集「ポートフォリオ」。設計志望の建築学生にとっては、就職活動や研究室の配属など活用する機会も多く、制作に力を注ぐアイテムとなっています。2018年秋、建築学生のポートフォリオを展示する展覧会が京都大学11月祭で行われていると聞き、訪れてみました。
まず、この展覧会はどのようなものなのでしょうか。居合わせた新靖雄さんと谷重飛洋子さん（ともに京都大学4回生）にお話を伺いました。
谷重— ポートフォリオ展は、関西の建築学生が合同で行っている卒業設計展「Diploma x KYOTO’19」(※以下Diploma)の派生企画として行っています。Diplomaに参加する学生たちのポートフォリオの展示を京都大学や神戸大学などを巡回して行うもので、11月22～25日の間は京都大学が会場となりました。
新— 僕はDiplomaにおける京都大学の学校代表を務めているのですが、いろんな人を感動させたいという意気込みで活動に取り組んでいます。Diplomaは17大学が参加する大掛かりなものですが、その企画から運営まで全て出品者の学生で行うことが特徴です。今年のテーマは「trans」で、卒業設計を制作した学生自身が気づいてなかったようなことを発見する機会になればいいなと思っています。
— ポートフォリオの作成にはどのくらい時間がかかりましたか？
谷重— 私は3回生から4回生になる春休みに研究室配属の面談で使用するために作成したポートフォリオを持ってきています。制作期間はだいたい3月の1か月間くらいですね。
— どんなところに力を入れていますか？
谷重— 自分の個性をアピールしようと思って作っています。今までの作品で何がしたかったのか伝わるように各作品についての水彩のコンセプトアートを載せています。
多くの学生が刺激を受ける場になっている。
ポートフォリオ以外に、建築模型もいくつか展示されていました。話を伺うと3回生が設計課題で作成した模型をいくつか出品しているようです。出品していた佐古田晃朗さん（京都大学3回生）にお話を伺いました。
佐古田— 3回生の前期で作った美術館の模型を展示しています。少し前に声をかけてもらい、出展しました。お金がかかってるのに捨てるのはもったいないですし、せっかく作ったものを出せる場所があるのはいいですよね。
— 先輩のポートフォリオはどうですか？
佐古田— 去年は何となく見て回っていたんですけど、今年は研究室配属もあるので、自分のポートフォリオをどうつくるかを考えながら見ています。みなさんポートフォリオのために作り直しているわけではなくて、きちんと課題に取り組まれた成果を前提にポートフォリオを作っているので普段の課題をよりしっかりしなきゃいけないなと改めて思いました。
とてもまじめな佐古田さんでした。
話を伺っている間にもたくさんの方が訪れていました。私が訪れた日はNF2日目で日曜日ということもあってか、だいたい半日で30名ほど来場されていたようです。ポートフォリオを熱心に眺めていた学生2名の方にもお話を伺ってみました。
— 今日はどちらからこられたのですか？
黒田— 武庫川女子大学からきています。都市環境デザイン研究室の4回生です。
— ポートフォリオ展はいかがですか？
鎌倉— まちづくりをメインで行っている研究室に所属しているのでDiplomaには出さないのですが、友達が出展しているので遊びに来ました。私も卒業設計の参考にできたら良いなと思っています。
Diploma x KYOTO’19は2019年2月末の開催です！
学外の活動もたくさん行っている、建築学科の学生。引き上げる際には、また別の3年生の模型が運び込まれていて、さらに活気が出ているようでした。
Diploma学校代表の新さんは、色々な人の卒業設計が見られるので、後輩に大勢来てほしいと語っていました。Diploma x KYOTO’19は2019年2月23日から25日までの3日間、京都市勧業館みやこめっせで行われます。是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
Diploma x KYOTO’19公式サイト：https://diplomaxkyoto.jimdo.com/
