同じ京大建築でも知らなかった! 研究室ごとにまったく異なる大学院での“ゼミ”とは?

そもそも大学でのゼミとは何なのか? という疑問に答えつつ、今の京大建築で行われているゼミについて、計画系・構造系・環境系それぞれの研究室を取り上げて紹介します。

そもそも“ゼミ”とは

研究室に所属するようになると、当たり前のように始まる“ゼミ”という授業があります。

わたしは大学に入る前や入ってすぐの頃、「大学生がよく言うゼミって結局何…?」と思っていましたが、もし今その疑問をぶつけられたら、何と答えたら良いのでしょうか。

“ゼミナール”という言葉の意味を調べても、具体的なイメージにはなかなか繋がりませんでした。

そこで、現在自分が参加しているゼミを紹介しつつ、他の研究室の友人の話も交えて、いまの京大建築で行われているゼミについて明らかにしていきたいと思います!

Dの先輩からアドバイスをもらえるチャンス! 小椋研究室の大学院ゼミ

まずは著者自身が属している小椋研究室のゼミの様子をご紹介します。

小椋研究室では学部ゼミと大学院ゼミが分かれていて、それぞれの参加メンバーは現在以下の通りです。

学部ゼミ…小椋教授、伊庭助教、B4(4名)
大学院ゼミ…小椋教授、伊庭助教、M1(5名)、M2(3名)、D1(1名)、D2(2名)、D3(1名)、社会人D(1名)

ここでは大学院ゼミについて紹介します。小椋研の大学院ゼミは毎週月曜日14:45~17時ごろに行われるのですが、内容として

・英語の論文紹介
・進捗報告

の2パターンがあります。

基本的にゼミのテーマは前者の論文紹介で、自分の研究の参考になりそうな英語の論文を探してきて、日本語で説明しつつ紹介するといった内容です。1人当たり1年にだいたい2回担当します。また、2ヶ月に1回くらいの頻度で1人30分ほど(質疑応答を含め)、全員が自分の研究テーマの進捗を報告する機会が与えられます。

小椋研究室のゼミ風景

どちらの場合も発表形式は、資料を配って読み進めながら説明する場合やパワーポイントを使って説明する場合などがあります。適宜、周りの先生や学生からわからない部分の説明が求められたり指摘を受けたりするので、発表担当者には何とも言えない緊張感があります。

他の研究室に比べてD(ドクター:博士課程)の方が多いので、先生方だけでなく経験豊富なドクターの先輩からも鋭い指摘やアドバイスをいただけるのが、現在の小椋研の大学院ゼミの特徴でしょうか。

必ずお茶の時間がある!? 竹山研究室のゼミ

続いて計画系の研究室を覗いてみます。

竹山研究室に所属する友人にゼミについて聞いてみたところ、時間は毎週火曜日14:00〜18:30時頃で、学部生から院生まで全員参加するそうです。

テーマは4回生の設計課題と院生の修士論文についてで、4回生の課題に対して院生全員で取り組む、というのが印象的でした。課題エスキスを先生にしていただくともに、学生同士でも意見交換をするそうで、4回生にとってはかなり緊張感のある場なのではないでしょうか。

竹山研究室のゼミ風景。手元にお茶菓子が!

また、毎回のゼミに必ずお茶の時間をとるそうです!

お茶菓子は研究室メンバーのお土産であることも多く、お茶の時間には、和やかな雰囲気で先生のお話を聞いたりするとのことです。長丁場なゼミの中でこのような時間をとることで、メリハリのあるゼミになりそうですね。

竹山研究室のゼミ風景。分厚い本をめくりつつも、和やかな雰囲気です。

全員の質問に返答! 聲高研究室のゼミ

最後に、主に鋼構造を専門とする、構造系の聲高研究室のゼミの紹介です。

聲高研究室のゼミは毎週水曜日 14:00-17:00頃で、こちらも学部生からドクターまでの学生が参加し、さらに現在は研究員の方も参加されているそうです。

内容としては、自分の研究の成果をまとめた資料を配布し、その資料に関する発表を30分間した後、ゼミ参加者全員からの質問に返答する、というものだそうです。

30分の発表に加え、その後に参加者全員からの質問に返答するというのは、発表担当者にとってはかなり入念な準備が必要となるのではないかと思います。また、全員が毎回質問を考えることで他のメンバーの研究テーマについて理解が深まりそうですし、幅広い知見が得られそうですね。

聲高研究室のゼミ風景。発表者は、学部生、大学院生、教員から次々と繰り出される質問に答えていく。

研究室メンバーが集まる貴重な機会としてのゼミ

以上のように、同じ建築学専攻のゼミでも時間・参加者・内容・雰囲気などさまざまで、一概にゼミとはこういうものだ、と説明するのは難しいですね。しかし、今回3つの研究室のゼミを紹介してみたところ、どの研究室にとってもゼミが、研究室のメンバーが一度に顔を合わせる貴重な機会であり、それぞれの研究室で大事にされている時間だということがわかりました。

京大建築の内部の人も、外部の人もいま研究室で行われているゼミについて少しでも興味やイメージを持っていただければ幸いです。

この記事の研究室

小椋・伊庭研究室

人の暮らしと文化を守るため、建築に関わる熱湿気問題を解く。

小見山研究室

設計という行為・建築という思考がもつ可能性を引き出していく。

聲高研究室

鋼材の特性を最大限に活かした空間構造の研究と開発。