2020年3月卒、卒業設計、卒業論文発表会をレポートします。

卒業研究を提出した学生があらためて教員や学生の前で発表を行う「卒業研究発表会」。京都大学工学部建築学科では毎年2月初頭から中旬にかけて開催し、プレゼンテーションや展示、それに対する質疑応答などが行われ、最終的に優秀な論文や作品は表彰されます。2019年度の卒業研究の発表会とその審査の概要を報告します。

【2020年3月卒・発表会・審査会スケジュール】
2/5(水)9:30〜12:10 環境系・発表会
2/10(月)10:00〜12:00、13:00〜15:00 構造系・発表会
2/14(金)13:00〜17:30 卒業設計審査会
2/15(土)〜2/20(木)10:00〜17:00 卒業論文・閲覧会/卒業設計・作品展

例年に増して白熱した「卒業設計審査会」

桂キャンパスC2棟の1階から4階のロビーやエレベーターホールなどを活用し、大型の模型が展示される「卒業設計審査会」。今年度は19名が発表しました。

■卒業設計審査会概要
2/14(金)13:00〜17:30
発表者:19名
審査員:計画系教員+非常勤講師 計23名
発表媒体:口頭発表+模型、パネル等
発表方法:発表時間3分、質疑応答7分

最優秀賞(武田五一賞) 齊藤風結(竹山研究室)「MARCEL DUCHAMP’s ARCHIVE」
優秀賞 田村多久人(平田研究室)「神々に学ぶ場所」 撮影:高橋あかね

審査には計画系教員16名(竹山聖、平田晃久、神吉紀世子、金多隆、冨島義幸、トーマス・ダニエル、小林広英、三浦研、牧紀男、田路貴浩、吉田哲、柳沢究、西野佐弥香、小見山陽介、太田裕通、岩瀬諒子/敬称略)と、非常勤講師7名(江副敏史、森田昌宏、山本麻子、畑友洋、魚谷繁礼、池井健、大西麻貴/敬称略)が参加。

発表の様子 撮影:菱田吾朗
発表の様子 撮影:菱田吾朗

4時間近くかけて発表がなされた後、大会議室で約1時間、審査が行われました。審査方法は二段階に分かれていました。まず審査にあたる全員が発言する形で議論をしたのち、一人5票ずつを投票します。その結果、他を引き離して10票以上を得た5作品を今年度は表彰の対象と決定しました。そして特に票の多かった2者の作品について議論を重ねたのち、決選投票でより多くの票を獲得した作品が最優秀賞(武田五一賞)となりました。審査委員長をつとめる平田教授によると今年は力作が多く票が割れ、非常に白熱した議論があったとのことです。

優秀賞 高山夏奈(神吉研究室)「街の匂い、土の薫りー京都山科・半都半農計画ー」撮影:小西泰平

表彰作品は以下となりました。

  • 最優秀賞(武田五一賞) 齊藤風結(竹山研究室)「MARCEL DUCHAMP’s ARCHIVE」
  • 優秀賞 田村多久人(平田研究室)「神々に学ぶ場所」
  • 優秀賞 高山夏奈(神吉研究室)「街の匂い、土の薫りー京都山科・半都半農計画ー」
  • 優秀賞 湯川絵実(平田研究室)「ツカノマド的家族ー未来の技術が可能にする未来の家族の形と渡る暮らし方の提案ー」
  • 優秀賞 尾崎聡一郎(田路研究室)「記憶を登る」
優秀賞 湯川絵実(平田研究室)「ツカノマド的家族ー未来の技術が可能にする未来の家族の形と渡る暮らし方の提案ー」
優秀賞 尾崎聡一郎(田路研究室)「記憶を登る」

この3月に退官する竹山聖先生にとって最後の講評となりました。審査会でのコメントを抜粋し、掲載します。

28年前、僕が京大に着任して、まず行ったことの1つが武田五一賞の設立でした。卒業設計とは、自分自身と戦うことが前提ですが、競うことで伸びる面もあるとも感じています。この賞は第2回に平田晃久先生が、第14回に大西麻貴先生が受賞していることからもわかるとおり、これまでの受賞者には優秀な方がそろっています。一方で卒業設計での入賞は諸刃の剣です。そこであぐらをかいてはおしまいですし、取れずに、いや取れなかったからこそ、活躍している方も多いのです。今年、28回目となる最後の審査で、素晴らしい作品にめぐりあうことができ、うれしく思いました。本当にご苦労さまでした。

竹山聖教授より

ポスターセッション形式で開催された「構造系・発表会」

つづいてポスターセッション形式で行われる「構造系・発表会」の様子です。

■構造系・発表会概要
日時:2/11(月)10:00〜12:00、13:00〜15:00
発表者:27名
閲覧者:構造系教員+各研究室の学生・研究生
発表媒体:B1サイズのポスター(ボードに貼付するかポスターフレームを使用/書式・まとめ方自由)
発表方法:閲覧者がまわり、適宜質疑応答を行う。教員は4時間で全員分の閲覧を行う。

大会議室での、発表会の様子。 撮影:三宅皓一朗

昨年同様、大会議室にポスターが立ち並び、入り口近くにカフェスペースが設けられました。多くの教員は特に午前中に集中して訪れ、学生はポスターでは説明しきれない場合に卒論を参照したり、質疑のの内容をメモするなど、熱心に質疑に対応していました。

構造系教員の投票により、最優秀賞(日比忠彦賞)が決定し、後日発表されます。今年度の表彰論文は以下になりました。

  • 最優秀賞(日比忠彦賞) 寺辻奏芽(大﨑・張研究室)
    「樹木の成長応力を参考にした建築構造計画の検討」

「環境系・発表会」と「計画系・論文審査」

■環境系・発表会概要
日時:2/5(水)9:30〜12:10
発表者:15名
聴講者:環境系教員+各研究室の学生・研究生
発表媒体:口頭発表+プロジェクター、スクリーンを用いたプレゼンテーション
発表方法:発表時間7分、質疑応答3分

環境系・発表会の様子。

教員が、卒業論文発表会の発表と、卒業論文閲覧会の論文本体の閲覧を踏まえて投票を行い最優秀賞(前田敏男賞)を決定します。 表彰論文は閲覧会の会期終了後に発表され、今年度は以下となりました。

  • 最優秀賞(前田敏男賞) 畠山侑己(原田研究室)
    「廊下状空間における煙の成層化に鉛直方向温度・流速分布が及ぼす影響」

また計画系の論文は、2/15(土)から2/20(木)にかけて開催される卒業論文・閲覧会で、審査が行われます。まず計画系教員(講師以上)が期間中に、論文を各自閲覧し後日、ひとり一票ずつ投票し、最多得票の卒業論文が表彰論文として選ばれる方式となっています。本年は該当者なしとなりました。

  • 最優秀賞(森田慶一賞) 該当者なし

以上、2020年3月卒の卒業設計、卒業論文の発表会・審査の報告です。