2023年3月卒、卒業設計、卒業論文発表会をレポートします。

卒業研究を提出した学生があらためて教員や学生の前で発表を行う「卒業研究発表会」。その概要を報告します。

【2023年3月卒・発表会・審査会スケジュール】
2/7(火) 構造系、計画系、環境系・発表会
2/17(金) 卒業設計審査会
2/18(土)〜2/23(木) 卒業設計・作品展

2グループの講評と、学生向け公開審査が行われた卒業設計展

桂キャンパスC2棟の1階から4階のロビーやエレベーターホールなどを活用し、模型やパネルが展示される「卒業設計展」。今年度は19名が出展しました。

■卒業設計審査会概要
2/17(金)13:30〜18:50
発表者:19名
審査員:計画系教員+非常勤講師 計27名
発表媒体:口頭発表+模型、パネル等
発表方法:発表時間2分、質疑応答6分

審査には計画系教員18名(冨島義幸、トーマス・ダニエル、三浦研、平田晃久、田路貴浩、金多隆、神吉紀世子、牧紀男、小林広英、岩本馨、小見山陽介、西野佐弥香、柳沢究、安田渓、岩瀬諒子、早川小百合、清山陽平、杉中瑞季/敬称略)と、非常勤講師9名(魚谷繁礼、畑友洋、中山英之、河井敏明、高野洋平、山本麻子、藤本壮介、江副敏史、森田昌宏/敬称略)が参加。

今回は、より多くの講評を求める学生の声を受け、2グループに分けての講評が実施されました。1つのグループは平田晃久教授、岩瀬諒子助教と非常勤講師によるグループで、もう1グループは残りの学内の教員によるグループです。配信のみであった昨年に比べ緩和され、発表者以外の学生も現場聴講が可能でした。

3時間あまりで発表がなされた後、大会議室で約1時間の審査が行われました。今年は審査の透明化を求める学生の声を受け、発表学生が現場に立ち会い、かつ議論や投票内容が学内限定で同時配信されました。
審査方法は3段階に分かれていました。
【第一次投票】審査にあたる全員が発言する形で議論をしたのち一人5票ずつ投票。
【第二次投票】上位11作品に対し一人3票ずつ投票し、上位4作品を入選作品(優秀賞以上)に選定。
【第三次投票】上位2作品を一人1票ずつ投票し、より票を得た作品を最優秀賞(武田五一賞)に選定。

表彰作品は以下となりました。

発表作品数は例年と比べ多くはないのですが、参加した非常勤講師の複数名から作品レベルが揃っているとの感想が聞かれるなど、高レベルでの展示および審査会となりました。入選作はいずれも都市的な提案で、かつ最終的に決戦投票が行われたのは神戸を舞台に都市を変容させる2作品となりました。市街地上空にジェットコースターを走らせる「都市に織り込む遊園地」の都市を変革しうる大胆さと、現存する空間要素をリサーチに基づき分析して場を組み立てた「元町オリフィス -分裂派の都市を解く・つくる-」の総合性のいずれを評価するかで議論が交わされました。また審査が公開されたため、どの作品に誰から票が入ったのかがそこに至る議論とセットで可視化されたことが今回の特色でした。公開・非公開いずれにも良し悪しがあり、何が正解とは言い切れないところですが、ここで相対的かつ生の評価が得られたことは、出展者にとってはかけがえのない将来の糧になると感じました。

構造系、環境系、計画系の発表会

卒業論文発表会は、構造系、環境系、計画系すべてオンラインと対面のハイブリッドで2/7(火)に行われました。

構造系は、卒論発表会と提出された論文本文を踏まえて構造系全教員で投票し、32名の発表者の中から土田陽奈子さんの卒業論文が構造系卒業論文賞(日比忠彦賞)として選ばれました。

  • 最優秀賞(日比忠彦賞) 土田陽奈子(竹脇・藤田研究室)
    「断層近傍地震動を受ける建物内でロッキング振動する剛体の壁との衝突を考慮した転倒限界」

環境系は、卒論発表会と提出された論文本文を踏まえて環境系全教員で投票し、14名の発表者の中から最多得票を得た荻田七海さんの卒業論文が表彰論文として選ばれました。

  • 最優秀賞(前田敏男賞) 荻田七海(高野・大谷研究室)
    「球面調和領域における室の3次元形状の定量解析」

計画系はオンラインを併用しつつ発表者は原則として対面で発表し、発表者の所属研究室学生は対面参加可能、というやり方で、教室の人口密度を下げました。卒論発表会と提出された論文本文を踏まえて講師以上の計画系全教員で投票し、11名の発表者の中から最多得票を得た⼭⼝結⾐さんの卒業論文が表彰論文として選ばれました。

  • 最優秀賞(森田慶一賞) ⼭⼝結⾐(冨島研究室)
    「稲荷山の景観形成に関する研究」

以上、2023年3月卒の卒業設計、卒業論文の発表会・審査の報告です。